いつでも、どこの国でも、新米教師はツライよ

2020年アムステルダム国際ドキュメンタリー映画祭正式出品作品、2020年香港国際映画祭正式出品作品、2020年クラクフ映画祭正式出品作品

教えるってなに?学ぶってなに?ロシアのとある地方都市、ここには〈教育〉が抱える問題の縮図がある─

ヘィ!ティーチャーズ! Hey! Teachers!

監督:ユリア・ヴィシュネヴェッツ、2020年/ロシア/ロシア語/DCP/90分/ドキュメンタリー、原題:Katya I Vasya idut v shkolu 英題:Hey!Teachers!

2022年6月25日(土)〜ユーロスペースにてロードショー、全国順次公開

イントロダクション

いつでも、どこの国でも、
新米教師はツライよ
教えるってなに? 学ぶってなに?
ロシアのとある地方都市、
ここには“教育”が抱える問題の
縮図がある

大都会モスクワから、地方都市の学校に赴任したふたりの新米教師
その毎日の泣き笑いを見つめる

エカテリーナとワシリイはモスクワの大学を卒業した新米教師。ふたりは理想を胸に、見ず知らずの地方都市の学校に赴任する。エカテリーナは文学、ワシリイは地理の先生として。だが、すぐにその理想は崩れていく。授業中に勝手に発言する生徒や話を全く聞かないクラス、教師同士の人間関係、日々の授業の準備。山積する仕事に「理想の教育」は霞んでいくのだった。果たして、情熱を持ち、新しい教育を目指したふたりの新米教師の行く末は?

“教えること”の理想とギャップ
世界中の先生たちが共感する
「教師あるあるドキュメンタリー」

本作はロシアという一国にとどまらない、教育システムや教師の働き方のギャップに迫ったドキュメンタリーだ。教室の中にカメラを据え、教師と生徒の一挙手一投足を見つめる。そこには、世界中の教師たちが共感するに違いない、「教えること」の日々の営みがつぶさに記録されていた。翻って日本は? 大幅な「教員不足」が大きなニュースになったこの国で、先生たちの声なき声が本作から聞こえてくるはずだ。

プーチン政権により閉鎖に追い込まれた
「Radio Free Europe/Radio Liberty」ディレクターが描く、
多様な発言と意見が飛び交う場としての教室
その、ありのままの姿

本作からは一面的ではない、大国ロシアの姿も見え隠れする。生徒たちの発言も自由で活発だ。
「僕はドネツク出身」、「ウズベク語で“人間”は?」、「先生は昔からいるお婆さん先生と違う」、「教師は夢と希望だけじゃ務まらない」、「文学の先生は愛国教育で僕らに落第点をつけた」、「社会主義死ね」、「国家は人々に帰属すべきだ」などなど、政治や社会情勢、恋愛や性、ジェンダーの問題・・・多様な意見が溢れ出す。本作の監督はプーチン政権により閉鎖に追い込まれた「Radio Free Europe/Radio Liberty」でディレクターとしても活動する、ユリア・ヴィシュネヴェッツ。
日々、ウクライナ侵攻というニュースが流れるロシア。しかし、そこには様々な葛藤を抱えつつも、暮らし、学ぶ人々の姿があることもまた事実だ。

ディレクター

ユリア・ヴィシュネヴェッツ Yulia Vishnevets

1980年3月生まれ。モスクワを拠点に活動する映画監督、ジャーナリスト。
ドキュメンタリーのストーリーテリングを通して社会を探求することに情熱を注いでいる。モスクワのRadio Free Europe/Radio Libertyのスタッフフィルムディレクターとしても活動中。彼女の関心は幅広く、社会的排除から個の独自性、紛争、そして人々が周囲の環境からどのような影響を受けるかにまで及ぶ。ウクライナ紛争の両側面を描いた彼女の最初の長編ドキュメンタリー映画『House on the Edge』(2016)は、モスクワの有名なドキュメンタリー映画祭Artdocfestを含み、ロシア、ドイツ、米国で多くの上映が行われ、Currenttime.tvチャンネルに購入されるまでに至った。

フィルモグラフィー
【短編作品】
  • 2017年 「Adoption」(24分 ※長編ドキュメンタリーとして制作中)
  • 2017年 「Marriage」(24分)
  • 2018年 「A Game」(14分)
  • 2018年 「Tatyana’s List」(24分)
  • 2019年 「A woman and a killer」(24分)
  • 2019年 「You are a medicine」(24分)
  • 2019年 「Girls from Gypsy Camp」(34分)
【中編作品】
  • 2016年「House on the Edge」(50分)
    ドキュメンタリー映画祭Artdocfest(モスクワ)正式出品
    ドキュメンタリー映画祭Novaya Gazeta documentary festival 正式出品
【長編作品】
  • 2020年『ヘィ!ティーチャーズ!』
    ドキュメンタリー映画祭Novaya Gazeta documentary festival 正式出品
    2020年アムステルダム国際ドキュメンタリー映画祭正式出品作品
    2020年クラクフ映画祭正式出品作品
    2020年香港国際映画祭正式出品作品

監督の言葉

10代の頃の私は、先生と生徒が平等に扱われた良い学校に行かせてもらえました。その学校は新しい教育システムを作ることに熱心な方々で作られた場所でした。でも成長するにつれ、私は私を取りまく世界について全く知らないことがあると気づいたのです。

大半のロシア人が非常に保守的な学校に通います。つまり学校教育こそが私たちの社会にとってのDNAの様なものだということを私は悟ったのです。あらゆる社会的変化は学校レベルで始まるべきです。ロシアの地方にある一般的な学校はまるで産業革命時代のタイムカプセルです。子供たちは小さな兵士のように育てられて、一番の評価は行儀の良さと従順であることです。これは現代の政治が保守的な方向にあることで、更に強調されています。ロシアの教育システムはロシア正教会と密着に連携しており、「伝統的な価値」を学生に注入させるように仕向けています。しかし同時に学校の外では子供たちは全く違う世界に生きていて、すべての人たちがインターネットや携帯を持っています。このポストモダンな社会においては、全く違った期待感やチャレンジが待ち受けている訳です。この二重化している思考の中で、生徒たちの中にもバラバラな感情が産まれ、教師たちから来るすべてのことが不信感につながっていくのです。

この対立の始まりが、映画で描かれている学校に就任する我らのヒーロー、エカテリーナとワシリイなのです。彼らはシステムを変えたいのですが、抵抗に出会います。このギャップが私たち鑑賞者において、コミカルでもあり悲劇的な状況をもたらすわけで、映画の中ではそれがもっとグロテスクなものになっていくのです。でもこの2人のヒーローが対決しなくてはいけない疑問やチャレンジは、ただロシアの学校だけではなく、世界における現在の教育の状況を示していると思っています。

コメント・海外評

劇場情報

都道府県 劇場名 公開日 備考
東京 ユーロスペース 終了
神奈川 横浜シネマリン 終了
神奈川 シネマアミーゴ 終了
新潟 高田世界館 終了
愛知 名古屋シネマテーク 終了
大阪 シネ・ヌーヴォ 終了
兵庫 豊岡劇場 終了
福岡 KBCシネマ 2022/12/13(火) 1日限定
鹿児島 ガーデンズシネマ 終了
沖縄 桜坂劇場 終了

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